14世紀から18世紀にかけてのキリスト教の宗教画には現代のUFOに似通ったものが空中に描かれていることが多い。この時代の宗教画と言えば、イエス・キリストの誕生からその死のストーリーを描くのが主流であるが、彼ら画家たちは、なぜUFOのようなものを空に描いたのだろうか?
例えば、カルロ・クリヴェッリの名画「聖エミシアとの受胎告知」には、聖母マリアに向かって細いビームを放つ円形の飛行体が描かれている。コンピュータ科学者でUFO研究家のジャック・ヴァレ氏の話では「科学的に見れば、UFO現象の始まりを絵画を通じて歴史の中に見ることが出来るので、科学的観点から見ても価値がある」と述べている。
UFOが描かれた美しい宗教画の謎
最初はバルカン半島のコソボにある世界遺産、デチャニ修道院に描かれている壁画。
左右にはっきりとUFOのようなものが描かれており、中に人が乗っている。乗っているのは人物像から見て、神様や天使などではなく普通の人間であろう。
これはデチャニ修道院の外観。
建物そのものは1335年に完成しているのだが、内部の壁画などを描く作業に時間がかかり、内装が完成したのは、15年後の1350年の事であった。内部は数多くの優れたフレスコ画が描かれており2004年に世界遺産として登録された。
こちらは冒頭でも少し触れたカルロ・クリヴェッリ作の名画、「聖エミシアとの受胎告知」。聖母マリアの頭部めがけて円形の飛行物体がビームを放ち、聖母マリアはそれを受け入れているようにも見える。
デチャニ修道院の壁画のUFOよりかなり大きい事が良くわかる。母艦のようなものだろうか?それにしても、このUFOはドラゴンボールにでるフリーザ軍の宇宙船にそっくりなのも驚かされる。
最後はオランダの画家、アールト・デ・ヘルデル作の「キリストの洗礼」。
空に浮かんでいる不思議な飛行物体がキリストにめがけてビームを放っている様子が描かれている。
イエス・キリストの時代から1400年以上経っているので、当時の画家たちは書物や話でしかキリストの誕生や死については知るすべはなかったはずだが、なぜUFOを作品に書き込んだかは謎のままである。
いずれにせよ、画家たちは空を飛ぶ円盤に何かのインスピレーションを得てこのような作品を世に残したことは間違いなさそうである。もしかしたら、古代や中世には、すでにUFOは地球にやってきていたのではないか?と考えさせられてしまう。中世を生きた人々は現代人よりも、もっと頻繁にUFOを見ていたのかもしれませんね。