不思議なび

世界の果てまでエア冒険。都市伝説から世界の絶景まで、不思議大好き不思議ちゃん管理人による謎解き冒険ブログ

時空の老女!?異世界へと繋がる謎の温泉旅館

旅館での不思議体験と言えばオカルトの定番。
旅先と言う慣れない環境や、長時間移動での疲れなど、複数の要因が重なり不思議な体験から心霊現象まで色々な事を体験しやすくなるというが、実際のところ、睡眠中に起こる心霊現象は神経の疲れから来る明晰夢であるという。
しかし、中には明晰夢で片づけることが出来ないような不思議な現象に遭遇してしまう人も存在する。

今回は時空の歪みに巻き込まれた姉妹の物語である。

異世界へと繋がる謎の温泉旅館

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怖いというよりちょっと不思議な話です。
会社のK子さんという同僚から聞いたお話で、彼女が実際に体験したお話です。

K子さんは、先月の末、妹さんと二人で箱根の温泉旅館に行ったそうです。
その旅館は古くて由緒ある旅館。
文豪が定宿にしていたような旅館といえば雰囲気は分かってもらえるでしょうか。

二人は温泉も気に入り、お食事もおいしくいただいた後、部屋でくつろいでいました。
しばらくしてどちらからともなく、階下へ行ってお土産でも見て、近くを散歩でもしようと言い出し二人はそろってロビー階へ降りました。

途中、何人もの仲居さんたちとすれ違いました。
ビール瓶のケースやスリッパがたくさん並んだ広間があり、閉じられた襖の向こうから
にぎやかな声が聞こえてきます。
「宴会だね」
「そうだね」
とりとめもない会話をしつつ、二人はロビー階へ到着。
ロビーといっても、従業員が常時いるようなホテルとは違い、ひっそりとしていました。
二人は、そこでお土産や宿の歴史が書かれたパンフを見たりし、そのあとお庭を散歩して夕食後のひとときを過ごしました。
そして数十分たった頃、肌寒くなったので部屋へ戻ろうということに。

二人は階上の自分たちの部屋へ向かいます。ところが、自分たちの部屋がみつからないのです。

さほど大きな旅館でもなく、たいして複雑な造りでもないにもかかわらず、何故か部屋にたどり着けない。

「この年で迷子になるなんてね~」

仲居さんか誰かに尋ねようときょろきょろ辺りを見回す二人。
その時、妹さんが言いました。

「おねえちゃん、なんか変じゃない?」

そう言われてK子さんも気づきました。
辺りがいやに静かなのです。
宴会が催されていたはずなのに廊下には仲居さんの姿はありません。
かの広間の前にはスリッパやビールケースこそ並んでいるものの宴会の声もまったく聞こえない。
辺り一帯、人の気配がないのです。
訝しく思いながらも二人は、廊下や階段を行きつ戻りつ自分たちの部屋を探しました。

「ねえ、こんなとこに廊下あったっけ?」
「ドアの造りが私たちの部屋がある階とはちがうよね」
「ここ、さっきも通らなかった?」

そういえば踊り場で見た盛り花や絵画もどこか記憶と違う。
若冲のような絵だったのが、竹久夢二の美人画に変わっている。
別の場所で見たものをここで見たと勘違いしてるだけだろうか。

最初こそ迷子気分を楽しんでいた二人でしたが、だんだん怖くなりはじめました。
降りた階段とは別の階段を上ったり、その逆をしてみたりを繰り返していると、予想とはちがう様子の廊下に出てしまうこともありました。

「動けば動くほど、ここがどこだか分からなくなる……」
「さっき、踊り場こんなに狭かった?」

そしていよいよパニック寸前、というところで、その人は突然現れました。

「どうかなさいました??」

振り返った二人の目の前には、茄子紺色の丹前を羽織った初老の女性が立っていました。
不思議そうにそう尋ねた女性に、ふたりは安堵の面持ちで言いました。

「私たち、自分の部屋が分からなくなっちゃって」

しかし、それを聞いた女性はさも可笑しそうにカラカラ笑うだけで、そのまま行ってしまったんだそうです。

がっかりした二人が自分たちの部屋を見つけたのは、再び自分たちの部屋を探そうとした直後のこと。

部屋に戻って安堵のため息をつきながら、さきの女性の不親切を愚痴るK子さんに、
妹さんは言ったそうです。

「あのおばさんが戻してくれたんだよ」
「どういうこと?」
「おばさんが去ってくとき、なんか空気変わった感じがした。ぼにょーんって歪んだみたいな……」
「え?」
「あの人そういう係なんだと思う」

ちなみに、K子さんの妹さんは幽霊を見るような霊感はないそうですが、ただ非常に感受性が強く、普段からとても勘の鋭い人だそうです。
結局、怖い思いをした旅館に二泊もしたくないということで、翌日の宿泊はキャンセルすることになりました。
「何か不手際があったでしょうか」
と聞く従業員に、
「なんかちょっと怖くって」
とだけ言うと、その従業員はそれだけで合点がいったという面持ちで「分かりました」と答えたそうです。

地元のタクシーの運転手さんの話によると、その旅館のある一帯の地域では以前から同様のことが起きるそうです。
雑木林の中や宿泊施設の裏の遊歩道など屋外でも起こるらしく、そういう時は必ず人の気配がなくなるのだそう。
そして迷った人々が元きたところへ帰還する直前には、いつも朗らかな初老の女性と出会うのだとか。

「怖いことはないんですよ。いっとき迷っちゃうだけでね。磁場っていうんですかね、それが狂うのが関係してるっていう人もいます。ただ、それとおばさんとがどんな関係かは分かりませんけどね」

K子さんから聞いた話は以上です。
箱根近辺で同じような不思議な体験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

異世界へと繋がる謎の温泉旅館 解説と考察

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【解説】
温泉旅館に旅行に来ていた姉妹が、夜に旅館内を探検しているとなぜか迷ってしまい、自分の部屋に戻れなくなってしまう。最初は慣れていない場所なので迷子になってくらいの軽い気持ちだったけど、進めば進むほど別のところに行ってしまい、元来た道を戻ってもなぜか違う場所についてしまう。
そこに初老の女性が現れ、迷った事を伝えると、ただ笑うだけで行ってしまった。
その直後に異世界を脱して自分の部屋に戻れたというもの。
話のポイントは下記の4点。
・異世界突入契機不明
※その後、タクシーの運転手から旅館のある地域一帯は似たような事が良く起こり、磁場の関係ではないかという情報を入手する。
・人の気配がなくなる
・旅館の中ではあるが無限回廊のように続く場所
・初老の女性が現れた直後に元に戻れる

【考察】
磁場、人のいない世界、無限回廊、老女の登場と同時に帰還という複数のキーワードを見て行くと、時空のおっさんの話によく似ていることが分かる。話の最後に登場した老女は時空のおっさん的人物なのであろう。
今回の異世界への迷い込み事例は、天然の磁場という特殊環境と旅先での疲れ、感受性の強い人物など複数の要因が組み合わさり起こった事である事は容易に予測できる。
老女が何者なのか、異世界が故意に作られた異空間なのか、自然にできた空間なのかは話からは予測できないが、1つだけ見えるのは、来た道を戻っても別の場所に出てしまったという部分から推測できる「法則性のない世界」であるという事。そのことから考えて、旅館の異世界は自然にできた異空間ではないかという仮説が成り立つ。
異世界に故意に行きたいのであれば、磁場の高い場所で瞑想などをすれば行けるのかもしれない。