不思議なび

世界の果てまでエア冒険。都市伝説から世界の絶景まで、不思議大好き不思議ちゃん管理人による謎解き冒険ブログ

【鏡にまつわる不思議な話】異世界から来た友達

古い時代より鏡にまつわる話は沢山存在する。有名な合わせ鏡の魔術から怪談じみた話まで多岐に渡る。

鏡というのは不思議なもので、自分を見るためのツール以外にも風水では弱を反射するための魔法防壁として使用したり、日本においてはヤタノカガミは天皇家に伝わる三種の神器として崇拝されている。

今回の話は、鏡にまつわる不思議な話である。

異世界から来た友達

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小学四年生の時の話。

当時俺は団地に住んでた。
団地といっても地名が〇〇団地ってだけで貸家が集合してる訳じゃなく、みんな一戸建てに住んでいるようなとこだった。
当時すでに高齢化が進んでいた地域だったため、同じ学校の生徒、ましてや同級生なんてほぼいなかった。だから俺は自然と二つ上の兄貴とその友達と遊ぶことが多かった。
その団地には兄貴とタメのやつが他に二人いて、名前を田中、林といった。俺が入学した頃からその四人でよく遊んでいた。

四年の春にその団地に転校生がやって来た。
名前は慶太といって兄貴と同学年だった。遊び相手が増えた俺たちは慶太を誘い、毎日日が暮れるまで遊んだ。

最初こそ慶太は俺たちを拒んでいるような雰囲気を醸し出していたものも、日が経つにつれてそれはしだいに薄れていった。
慶太が越してきてはじめての夏。新たな仲間を迎え入れた俺たちは五人の秘密基地を作ることにした。秘密基地といってもただ藪の中に空間をつくってそこに段ボールやら敷物やらを置いただけの稚拙なものだったけど、当時の俺らには特別なものに感じられた。

兄「ここは俺らだけの秘密基地やけん絶対誰にも言うたらいかん」
完成直後、兄貴がいった。
田中「そらそうやわ。なんのための『秘密』なんやって話になるわ」
林「ほやけど絶対話さんてホショーは誰もできんよな」
兄貴達がいかにこの秘密基地の存在を知らしめないようにしようかと話始めた。「ばらしたらぼこす」だとか「駄菓子屋で500円分みんなにおごる」だとか色々な意見が出て話がまとまらなくなったとき、今まで黙っていた慶太が口を開いた。

慶太「皆で秘密をいいあったらええやん」
兄「言い合う?」
田中「みんなで自分の秘密を教えあって、基地のことを誰かが言うたらそいつの秘密をばらすってこと?」
慶太「そういうこと」
まぁそれならと話がまとまりみんな自分の秘密を言い合った。順番は慶太になった。
慶太「これは誰にも言うたことない話。俺が今からする話は全部ほんとのことやけん。俺の越してくる前の話なんやけど」
慶太は俺たちを見回した後に話を続けた。
慶太「俺な、鏡の向こうからきたんよ」
俺たち四人には意味がわからなかった。
慶太「今年の春休みのある日、朝起きて顔洗おうとして洗面所いったんよ。そんとき俺んなかで文字を鏡写しに書くんが流行っとって、その日たまたま鏡に息吹き掛けてそこに文字を書いたんよな。『いきたい』って。
そしたら閉めとったはずの戸が開いたんよ。全開。鏡ん中で。振り返っても実際しまっとんやけど鏡ん中やと開いとんよ。これは面白そう思てさ、戸の向こうに行こ思たんやけど後ろの戸はしまっとるわけやん?
どうにかして行ってみよて考えて、戸を半開きにしてみたんよね。そうすると鏡ん中も後ろも半開きなわけよ。きたわ!ってなってその隙間から出るやん。
でも戸出たらいつもの部屋なわけよ。でもなんか違和感があったんよね。なんやろ思たらさ、間取りが鏡写しになっとることに気づいたんよ。
意味わからんなって泣きそうになったらさ、リビングの戸が開いておとんがでてきたんよね。いつもと変わらんおとんみたらちょっとだけ安心してさ、『新聞とってくる!』ていって玄関までいったんよ。
ほんで新聞とってテレビ欄のとこ見たら、全部字が鏡写しになっとんよ。もう怖なってトイレに閉じ籠ったて泣きよった。
ほしたらそれ心配したおかんがトイレの前きてさ、『大丈夫?具合悪いん?』て聞いてきたんよ。俺は思たんよね。家の感じとか字は変わっとるけどおとんはなんも変わってなかった。てことは俺ら家族みんなが違う世界に来たんやないかって。
そう思って戸あけて『大丈夫、なんともない』って出ておかんの顔みたらさ、頬にあるほくろの位置が逆になっとんよ。」
慶太「 そのとき確信したね。俺だけが鏡の向こうの世界からきたんやって。俺は鏡の向こうから引っ越してきた後、おとんの仕事で引っ越してここにきた。これが俺の秘密」
そこまで話すと慶太は俺たちをみた。
林「そ、その日はどうしたん?」
慶太「ずっと部屋にとじ込もってないとった」
兄「帰ることは試したんか?」
慶太「何度もやった。鏡に『かえりたい』とか『もどりたい』とか書いたけどなんの意味もなかった」
田中「文字が鏡写しってことは、俺らが今書きよる文字がお前の世界では鏡文字ってこと?」
慶太「そういうこと」
俺「慶太って〇〇のとこに越してきたんやろ?でもあそこって前から人住んでなかった?」
兄「あそこはずっと空き家やぞ?お前何言よんや。なぁ?」
兄貴のその問いかけに田中も林も頷く。俺は納得することができなかったが、このまま口論になって殴られるのが嫌だったので黙ることにした。
その後も慶太への質問と帰る方法の話し合いは続いたが午後六つの鐘が鳴ったので俺たちは帰ることにした。
次の日、慶太一家が行方不明になった。大人達は「夜逃げがー」とか言っていたが、俺たち四人は『慶太は帰れたんだ!』とテンションが上がった。

先日、数年振りに兄貴にと飲む機会があり当時の思い出を語り合った。
俺「慶太の話ほんとやったんやろか」
兄「お前、まだあの話信じとんか。あんなん作り話でうまいこと逃げようとしただけやん」
俺「でも、その次の日に慶太おらんなったやん。つまりそういうことやろ」
兄「いやいや。家族全員おらんなったやん。もろ夜逃げやろ」
俺「ほうかぁ。まぁ夜逃げってことにしとくわ」

兄にはそういったものの、俺はずっと慶太は元の世界に帰ったのだと信じている。

参考:NAVER まとめ

異世界から来た友達 解説と考察

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【解説】

友達同士で秘密を教えあい、そのときに「鏡の中の世界から来た」と告白される。その後しばらくして友達家族は忽然と姿を消したという話。
常識で考えれば、話の中でも語られていたように「夜逃げ」だろうが、子供がこんな手の込んだ嘘をつく必要があるだろうか。

パラレルワールドを説明する上で合わせ鏡を例に出して、分岐の数だけ無限に自分が存在すると良くたとえられるが、鏡の中そのものがパラレルワールドであることがこの話から伺える。

【考察】

鏡を使った魔術というのは多数存在し、主に願望実現や自己実現の魔術に良く使われる。その理由は鏡はパラレルワールドに繋がっているからだといわれている。
もし、鏡がパラレルワールドの入り口なのであれば、鏡の中へ入ることも可能なのかもしれない。

鏡の中といえば、まねきケチャの歌う「鏡の中から」。ゲゲゲの鬼太郎のエンディングテーマとして使われ、鬼太郎の世界観にぴったりマッチしている。
下記リンクからPVが見れるので、興味のある人はどうぞ。

まねきケチャ『鏡の中から』アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」主題歌(ED) - YouTube